お腹を満たした後は、JR那智駅から徒歩５分の場所にある補陀洛山寺へと向かいます。御本尊は国の重要文化財に指定されている三貌十一面千手千眼観音。補陀洛山寺の境内には、かつて観音浄土を目指して船出する捨て身の業「補陀落渡海」の際に僧が乗り込んだとされる「渡海船（とかいせん）」を復元したものが展示されているほか、那智の浜から観音浄土を目指して船出したと伝えられる僧達の名前が刻まれた石碑があります。熊野三所大神社（浜の宮王子）に隣接し、神仏習合の名残を見ることもできます。事前に、那智参詣曼荼羅図を使った「曼荼羅絵解き」を聞いておけば、より一層深い理解で楽しむことができるでしょう。

補陀洛山寺 詳細情報 曼荼羅絵解き体験について

大門坂から那智山に向かって語り部さんと一緒に歩く「熊野古道ガイドウォーク」。ただ歩くだけではわからない、熊野の歴史を垣間見ることができます。1000年以上も昔から参詣者を迎え入れ、今もなお世界中から訪れる人々を魅了する熊野古道。大樹に囲まれ、約650mもの石畳が続く道を歩けば、途中には南方熊楠が研究のため３年間滞在した「大阪屋旅館跡」が見えてきます。奈良時代から近代まで、各時代の逸品が収められた熊野那智大社境内の「宝物殿」もどうぞお見逃しなく。

熊野古道ガイドウォーク 詳細情報

地元客からの評判も良く、家庭的で気取らないお食事処「ゆや」。国道42号線沿いにあり、白を基調とした外装が目印です。店員さんは明るく気さくな雰囲気。お座敷とテーブル席があり、個室もあるので落ち着いてお食事を楽しめます。おすすめはまぐろの三貫握り。そのほか、まぐろのチーズ焼き、天ぷら盛り合わせ、鯨刺身、自家製ローストビーフなどメニューも豊富です。

夕食：味処 ゆや 詳細情報

開創1200年の歴史を持つ、泊まれるお寺「大泰寺」。県道45号から脇道に入った先には、小高い丘の中腹に佇む大泰寺を囲むように、木々や竹林が立ち並ぶ静かな空間が広がっています。朝は鳥のさえずりが聞こえ、夜は満天の星が見える田舎町の自然の中で過ごす一夜。大泰寺はたくさんの文化財を所有しつつ、坐禅や写経、テントサウナまで体験できる、全国でもめずらしいお寺です。いつもの旅行とは一味違った、特別な宿泊体験をお楽しみください。

大泰寺 詳細情報

翌日の朝食は、大泰寺に行く前に購入しておくのがおすすめ。天満地区にある北郡商店は、まぐろをはじめとする鮮魚や干物を中心としたお店でありながら、煮物やカツ、コロッケなどの種類豊富なお惣菜にも定評があります。鮮度が高い良質な魚介や、人の温かみが感じられる手作りのお惣菜から好きなものを持ち帰り、大泰寺の落ち着いた雰囲気の中でいただく朝食は、素朴でとっても贅沢な時間になるはずです。

北郡商店 詳細情報

大泰寺のある太田地区から北上し、那智三峰の一つである妙法山の山頂近くに建つ阿弥陀寺へ。弘法大師空海が創建したと伝えられる阿弥陀寺には、供養のためのよりどころとして千年以上の間多くの参詣者が訪れてきました。阿弥陀寺でゆっくりするのもいいですが、余裕があれば少しマニアックな色川神社を訪れてみてはいかがでしょうか。草木や苔の緑と静けさに、自然と心が癒されます。

熊野妙法山 阿弥陀寺 詳細情報 色川神社 詳細情報

山の自然と歴史文化を満喫した後は、勝浦港近辺に戻ってのんびり町歩き。雄大な海に浮かぶ漁船や田舎町の風景を眺めながら歩けば、山側とはまた違った人々の生活や文化が垣間見えてきます。勝浦地方卸売市場第２売場にある展望スペース「TSUNAGOOD（ツナグ）」では、昭和初期に勝浦港の風景を撮影した写真や、「はえ縄漁法」「南紀熊野ジオパーク」のパネル資料を見ることができます。さらに興味のある方は、大正時代から昭和にかけての貴重な写真を展示する「入船館」にもぜひ訪れてみてください。

TSUNAGOOD（ツナグ）について 入船館 詳細情報